忌み枝は、字のごとく忌み嫌われる枝の事です。園芸、庭木、盆栽の世界で嫌われるのは、自然界に存在しないものです。
その代表的な物がこの閂枝(かんぬきえだ)。幹に対してほぼ水平にカンヌキを通した様に生えている枝。
車枝は、同じ所から何本も枝が、車輪のスポークみたいに生えている枝のこと。写真の松は、その忌み枝だけで作られている珍しい?庭木です!
枝元に葉っぱが無いのも可哀想。
松は、苗木の頃は、ツクンと真っ直ぐに伸びて同じ所から放射状に枝が出ます。でも年数を重ねると大きく伸びた枝だけが勝ち残り幹をしならせて自分の方に曲げ、曲がった内側に生えている枝は、日陰になって何時か枯れて行きます。そんな自然界の数百年の営みを数十年で再現しようとすると、こんな姿は、幼さの丸出しな訳です。
この庭は、数人のおじさん達が手入れをしていました・・・おそらく中に一人も園芸の好きな人はいないのでしょう。
松も放っておけば、それなりに姿を作って行きますが、しつこく手が入っている事は、隣の哀れな紅葉の姿を見
ても解ります。
だいぶ枯れているのにプードルカット
みたいにちょこっとだけの葉っぱでは
栄誉補給が出来ません!
庭全体が悲鳴を上げている様な・・
この松達は、園芸的に大間違いのまま
年数を重ねて2百年位経ったら
古木の中にアドケナサを残す銘木!
なんて言われたりして・・
知識も責任感も無い物好きに好きな様に
刈り込まれて枯れかかったりお気の毒な
姿に整えられたりするうちにドンドン
元気をなくして・・・
これってこの国の僕たちと似てない?
枯れかかってる紅葉の葉っぱを伸ばす
どころか刈り込んでる・・
ハサミの名前は、消費税か・・・
がっかりな庭師達だよ!
忌み枝(いみえだ)
2012年6月28日木曜日